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戸谷洋志『Jポップで考える哲学』講談社文庫

 

Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲 (講談社文庫)

Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲 (講談社文庫)

 

 

読んだきっかけ

教育実習に向けて、抽象的な事柄を噛み砕いて説明する手がかりを探してる最中、本屋で見つけて衝動買い

 

あらすじ

Jポップは、しばしば「自分」や「愛」「人生」をテーマとし、その歌詞は、シンプルであるがゆえに我々の胸に響く。一方、複雑な事象の本質を突き止め、露わにして見せようとするのが哲学ならば、両者は、密かに同じ企みを担っているとは言えまいか。Jポップの名曲を題材に誘う、今旬の哲学入門!

 

目次

第1章 自分

「自分らしさ」とは何か?-Mr.Children「名もなき詩

「自分ではないもの」から見える「自分」-ゲスの極み乙女。「私以外私じゃないの」

他者によって知られる「自分」-乃木坂46「君の名は希望

第2章 恋愛

私と他者の共同性ーAI「Story」

失われた共同性ー西野カナ「会いたくて会いたくて」

他者の他者性と向き合うことー宇多田ヒカル誰かの願いが叶うころ

第3章 時間

過去を記憶することーBUMP OF CHICKEN「天体観測」

未来を待つことーaiko「キラキラ」

この瞬間を生きることー東京事変「閃光少女」

第4章 死

絶望による死との直面ーRADWIMPS「おしゃかしゃま

死が照らし出す大切なものー浜崎あゆみ「Dearest」

他者の死を引き受けることーONE OK ROCK「A new one for all,All for the new one」

第5章 人生

日常生活の息苦しさと人生の不確かさー嵐「Believe」

自分の人生を決断することーSEKAI NO OWARI「RPG」

孤独に生きることへの祝福ーいきものがかり「YELL」)

 

感想

ただただ良い本だった。

 

JKとその先生が会話しながらJ-POPの歌詞を哲学的なテーマに沿って掘り下げていく本。

 

誰でも知ってるJ-POPを入り口にしているので取っつきやすいが、章の後半はかなり入り組んだ話をしてたりする。

でも、そういう箇所は作中でJKが疑問として先生にぶつけて、それに対して先生がJ-POPから少し離れた、例え話とかで説明してくれるので何とか理解できる。

逆に、JKが謎の理解力を発揮して噛み砕いて説明してくれたりもする。

 

個人的に恋愛の章は考えさせられた。

著者にとっての「理想の恋愛」みたいなのも感じられて面白い。

穿った見方かもしれないけど、女性が書いたらまた違う切り口になってるかもしれないな、とも思ったりした。

 

ブーバーについては全く知らなかったので興味を持った。社会学で言うとコミュニケーション論っぽい。

本書で取り上げられている『我と汝』はすごく難解らしい。

今度図書館でパラパラしてみようかな。

トム・クルーズ主演「マイノリティ・リポート」

 

 

・概要

マイノリティ・リポート』は、2002年に公開されたアメリカのSF映画。ドリームワークス作品。 フィリップ・K・ディックの短編小説『マイノリティ・リポート』をスティーヴン・スピルバーグ監督が映画化した作品で、トム・クルーズが主演した。 (wikiより)

 

・あらすじ

テクノロジーが進歩した近未来。警察は、殺人犯が殺人を犯す前に逮捕できるようになっていた。ところがある日、この犯罪予知部門に勤める刑事自身が容疑者となってしまう。(Amazon.comより)

 

・感想

Amazonプライムに追加されてたので観た。

結局こういう、ディストピア的・サイバーパンク的な雰囲気が好き。

 

二転三転するストーリー、陰鬱な描写、走るトム・クルーズが素晴らしかった。

あと、トム・クルーズの野球部みたいな髪型が良かった。走りやすそう。

 

犯罪の予知は「プリコグ」という3人の予知能力者を利用して行われていたわけだけど、さすがにあのやり方は酷くないか…?

そもそもあの手法で犯罪予知部門が設立されたこと自体に問題があるのでは…と思ってたら、何とまあ、そういうことだったのかという結末。

 

あと、「え、マイノリティ・リポートなんて無かったんですか…?」みたいな場面が好き。

あーいう絶望的などんでん返しがあると、主人公の次の一手に期待しちゃう。

 

今更この映画の感想垂れ流してる奴、あんまいないだろうな。

細見和之『フランクフルト学派』中公新書

 

 

・読んだきっかけ
 ハーバーマス入門のために

 

・目次

 はじめに
 第一章 社会研究所の創設と初期ホルクハイマーの思想
 第二章 「批判理論」の成立―初期のフロムとホルクハイマー
 第三章 亡命のなかで紡がれた思想―ベンヤミン
 第四章 『啓蒙の弁証法』の世界―ホルクハイマーとアドルノ
 第五章 「アウシュヴィッツのあとで詩を書くことは野蛮である」―アドルノと戦後ドイツ
 第六章 「批判理論」の新たな展開―ハーバーマス
 第七章 未知のフランクフルト学派をもとめて
 おわりに
 フランクフルト学派関連年表

 

・あらすじ 

「ホルクハイマー、アドルノベンヤミン、フロム、マルクーゼ…。1923年に設立された社会研究所に結集した一群の思想家たちを「フランクフルト学派」とよぶ。彼らは反ユダヤ主義と対決し、マルクスフロイトの思想を統合して独自の「批判理論」を構築した。その始まりからナチ台頭後のアメリカ亡命期、戦後ドイツにおける活躍を描き、第二世代ハーバーマスによる新たな展開、さらに多様な歯想像の未来まで展望する。」

 

・感想

ハーバーマス入門のために買ったけど、読んでみたらフロムとベンヤミンが1番アツかった。

予備知識全然無かったけど、文体のおかげかとても読みやすい。

人物毎に代表的な著書やその中でも読みやすいものが簡潔に紹介されている親切設計。

 

詳しい人にとっては当たり前のことなのかもしれないけど、マルクスのマクロな視点にフロイトのミクロな視点を掛け合わせる手法は、「発明だな」と思った。

イデアは何かの組み合わせって言うけど、こういうことなんですね。


哲学・思想中心の学派ではあるが、「社会哲学」を志向した性質上、極めて社会学に似た雰囲気を持っているように感じた。

アウシュヴィッツのあとで詩を書くことは野蛮である」に現れているような、自己を被害者/加害者両方に捉える批判理論的手法は、特に社会学っぽくて面白い。

 

卒論でハーバーマスをとりあげるので、その面でも第六章はとても参考になった。

『公共性の構造転換』読まなきゃ………

西田亮介『情報武装する政治』角川書店

 

情報武装する政治

情報武装する政治

 

 

・読んだきっかけ

同著者の『メディアと自民党』『政治はなぜわかりにくいのか』が面白かったので、2017年の衆院選を踏まえた論考が気になり、ポチった。


・あらすじ

インターネット登場以降、

さらなる技術革新とその利活用により、

政治家、政党のメッセージは、

よりスマートな形で我々の生活に入り込みつつある。

自民党を中心に各政党の

メディア戦略の実態を解き明かす。

 

・目次

 はじめに

第一章 複雑化する世界と日本の政治

 世界的な「政治のわかりにくさ」

 覆される「政治の常識」

 2017年衆議院選挙

 民進党分裂の末路

 争点にならなかった改憲

第二章 ポスト・トゥルースとは何か

 ポスト・トゥルースとは何か

 インターネットが生んだポスト・トゥルース

 日本でのポスト・トゥルース現象

 イメージ政治と選挙フェス

 SNS活用の流れ

第三章 日本の情報環境とその変容

 爆発的に変わるメディア環境

 各メディアに対する信頼

 既存メディアの縮小

 ネットとジャーナリズム

第四章 情報武装する政治

 政治のメディア活用の歴史

 インターネットと世界の選挙

 日本のネット選挙への道筋

 精緻化するポピュリズム

 最新技術が選挙を動かす

第五章 自民党のメディア戦略

 いち早くネットに対応した自民党

 政治とメディアの「55年体制

 政治がメディアに留保していた時代

 小泉政権で進んだイメージ政治

 メディア戦略の内製化

 民主党の広報の失敗

 メディア戦略が結実した2013年参院選

 自民党の若者向け対応

第六章 主要政党の情報発信の現況

 変わる広報戦略

 主要5政党による広報戦略

 組織力で広報する共産・公明

 耳心地よい情報加工

第七章 理性の政治への道筋

 「集団極化」のなかで

 自民党が進めたイメージ政治

 自民党一強を支えるもの

 理性の政治の条件


・感想

著者のこれまでの論考を総まとめしたという印象。

「イメージ政治」「政治のマーケティング化」に続いて、本書では「政治の情報武装」をテーマにしている。

p.92

「本書冒頭で、政治による社会と生活者に対する働きかけ、なかでも情報を活用するアプローチを「政治の情報武装」と呼ぶと述べた。政治の情報武装は伝統的にはいわゆるプロパガンダと呼ばれるような、偽情報の発言やあらゆるメディアを活用して動員のメッセージを発することであったが、現代においてはアプローチがいっそう科学的になり、民間の戦略と手法が積極的に活用されるようになっている。ここで「科学的」というのは、状況に関連するデータが収集され、整理・分析され、知見を抽出したうえで、アプローチを実施することで、その結果を評価し、また次のアプローチに備えた収集を行うというサイクルを形成している政党もある。」

『メディアと自民党』では、自民党の情報武装を題材にしたということになる。

メディアと自民党 (角川新書)

メディアと自民党 (角川新書)

 

 

本書の6章以降では、他政党(特に共産党公明党)におけるメディア戦略も取り上げられており、とても興味深い。

p.165

「生活者が接触する政治情報は外観に美しく手が加えられ、~甘ったるいものとなっている」「政治上の意図、背景と構図を読み解き、直視したくない、口に含むと苦い情報を生活者に届けなければならないのだが、それは誰か。困難な課題が残る。」

6章はこのように締めくくられている。

一見、研究者・知識人の役割のような気もするが…

著者はどのような存在を想定しているのだろう。

 

ただ、著者はここ数年で多くの本を出版しているためか、特に5章まではこれまでの論考と内容が被っている部分も多い。

様々な視点から政治とメディアについて考察されているが、その反面、本書独自の内容に割いている紙面が少ない。特に6章の各政党における現在の情報発信については、それぞれの政党についてさらに考察してもよかったのでは、と感じた。

 

遠藤薫の「間メディア」とサンスティーンの「集団分極化」を前提とした研究がもっと進んだら色んなことが明らかになりそう。

色んなこと…?

オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』光文社古典新訳文庫

 

すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫)

すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫)

 

 

 

・読んだきっかけ

1984』が面白かったので、同じジャンルの名作をネットで検索

 

・あらすじ

西暦2540年。人間の工場生産と条件付け教育、フリーセックスの奨励、快楽薬の配給によって、人類は不満と無縁の安定社会を築いていた。だが、時代と異端児たちと未開社会から来たジョンは、世界に疑問を抱き始め…

 

 ・感想

1984』のディストピアとはまた違って、結構みんな幸せそうでウケた。

世界なんてどうせ個人の認識だし、当人たちが幸せそうだからぶっちゃけ羨ましくもあった。

 

ジョンと「新世界」の人々、その間で揺れ動くバーナード、ヘルムホルツ、レーニナという分かりやすい構造だけど、ハクスリーが提示した問いは単純ではないように思う。

晩年のハクスリーが麻薬やフリーセックスを肯定しているように、「新世界」の良し悪しは即座に断定できるものじゃない。

ハクスリーが提示した「高度功利主義社会」は、ジョンと「新世界」の最大公約数をとろうとしたのかもしれない。

 

バーナードとレーニナの問答が面白い。

pp.131-2

「静かに海を眺めたいんだ。あんな雑音があるんじゃ落ち着いて見ていられない」
「でも、素敵な歌じゃない。それにわたし海なんか見たくないし」
「僕は見たい。海を見ているとまるで…」
バーナードはそこで間を置いて、自分の気持ちを表すのにぴったりな言葉を捜した。「もっと自分らしくなれるような気がする。言っている意味わかるかな。ほかのものの一部になりきっているんじゃなくて、独立独歩でいられるというか。社会という身体の一細胞にすぎないのじゃなくてね。きみはそんな風に感じないか、レーニナ」
だが、レーニナは泣いていた。
「そんなの嫌よ。そんなの嫌」
そう繰り返した。
「それに社会という身体の一細胞でいたくないなんてどうして言えるの。誰もがみんなのために働くんでしょ。ほかの人たちがいなかったら生きていけないのよ。”エプシロンでさえ…”」

p.137

「僕は情熱とはどういうものか知りたい。強烈な感情を持ちたい」
「”個人の思いは社会の重荷”よ」
「社会は少しぐらい重荷を負ってもいいだろう」
バーナード!」

個人↔集団のバランスって難しいね。

 

ジョンやバーナードが「肉体を入り口とした恋愛」をひたすら嫌うのも興味深かった。

p.136

「いっしょにベッドに入る結末じゃないほうがよかった」
バーナードはやや具体的に答えた。
レーニナは驚いた。
「つまり、初めての日にすぐじゃないほうがよかったなと」
「でも、それじゃ何を…?」
バーナードは意味不明で危険なことをあれこれ喋りだした。レーニナは一生懸命心の耳を閉ざそうとしたが、それでもときどき断片的に聴こえてきた。
「…衝動を抑えたらどういう効果があるか試してみたい」
というバーナードの言葉に、レーニナは心の中のスプリングに触れられたような気がした。
「〝今日楽しめることを明日に延ばすな”」
レーニナは重々しく言った。

レーニナの思想は確かに極端だけど、バーナードの意見もそれはそれで極端だと思う。

肉体から始まる関係を真っ向から否定することはできない。

「恋する者が最初に向かうべきは美しい肉体です。美しい肉体に向かったあとは、美しい魂に向かうこと。それによって肉体の美は魂の美よりも些細であることに気づくことができます。その後、美しい魂から「知識」へと向かっていかねばなりません。これこそ正しき恋の道です。この道をたどることによって、美そのものに到達することができるのです。したがって、正しき恋の道は、地上の美しいものを出発点として、この美そのものをめがけて上昇してゆくという過程なのです。」プラトン『饗宴』)

ほらプラトンさんもこう言ってるし。

プラトニックラブはこの後半部分の解釈がキリスト教的に拡大したものらしい。

この小説は極端な意見同士をぶつける実験みたいなものなのかもしれない。

 

 

コロコロコロニャ

というキャラクターを皆さん知っていますか?

 

 

かわいい。

 

見れば分かるんですけど、このキャラクター、ただの喋る猫。

世はキャラクター戦国時代。日々様々な特徴を持ったキャラクターが生まれている。

そんな中、こいつのなんとシンプルなことか。

 

ツイッターもインスタもやってるよ。

フォローしてあげてください。

 

映画『メッセージ』(英題 "Arrival")

久しぶりに、もう一度観たいと思った映画だった。

 

あらすじ↓

世界各地に突然現れた宇宙船(?)。言語学の第一人者である主人公は、軍に召集され、宇宙人(?)との対話という任務を与えられる…

 

びっくりするくらい粗いあらすじ書いちゃった。

 

少なくとも、ただのSF映画ではなかった。言語と認識の話だった。

 

大きなテーマとなっているのは、「サピア=ウォーフ仮説」。

扱う言語によって物の見方、認識も変わるという仮説だ。

作中で主人公は宇宙人との対話を通じて彼ら(?)の言語を習得していく。

ネタバレなので詳しくは言えないが、主人公はその言語の習得によって、彼らの世界の見方、考え方を身につけていく。

 

宇宙人と同じ視点から世界を、宇宙を見ることができるようになった主人公が最後にどのような決断をするのか…そこがこの映画の見所だと感じた。

 

話自体はのっぺりぬるぬる進むので眠くなると思いきや、緊張感漂う不気味なBGMが全くそうさせない。

ずーーーっと、「なんか起こりそう…」みたいな感じ。

 

まだ一回しか観てないので、この映画のメッセージ性みたいなものは掴みきれていない。

 

とにかく、テーマ、構成、BGMと完成度がすごいのでみんなみてくれ。

そして感想を教えてくれ。

 

ここで呼びかけても意味ないなこれ。